チャリです。
結局カントクが買ったのは、ドライバー、カッターナイフ、座椅子、カーテン 130、カーテン 190x2、風呂イス、クレラップ、水切り、アイロン台、電気ブラン、電気ブラングラス、ビール、パン、納豆、お茶、水、サケフレーク、HDMIケーブル。
カーテンをとりつけ、洗濯機や冷蔵庫の設置をし、DVDとテレビを繋いで、なんだかようやく人心地がついたんだと、カントクは言う。
そりゃそうだ。昨日はカーテン代わりにダンボールを窓に張って寝てて、夜中にベリベリズルルンなんてダンボールがずり落ちたりしたっていうんだからね。
まだメモに書いてあって買わなきゃいけないものは残ってるんだけれど、エアコンと扇風機を最強で回して、カエルがひっくり返ったみたいな格好で、「もう今日はこれくらいでかんべんしといたろ」なんて言ってる。よっぽど疲れたんだろう。
今日は隅田川の花火大会。会社の人たちが何人か料理と酒を持って集まってくれるという。
今日は2008年7月26日 カントクと出会うまで、やっぱり一週間くらい。
2008年7月26日土曜日
隅田川の花火
まだ昼前なのに、部屋から見える吾妻橋の上には、もう人だかりができており、ケイサツの人かケイビの人かわからないけれど、「橋の上では立ち止まって見ることはできません」などというアナウンスを繰り返している。
三十分ほどエアコンと扇風機をどちらも最強にぶん回して、その前でカエルがひっくり返ったような格好をしていたのだけれど、さっき、道を教えてもらった酒屋に行ってお礼がてら、缶ビールを1ダース、お茶と水、2リットルのを2本ずつ、氷2袋を買って帰った。
今日は、愛や恋や姫などが、酒と料理を持って来てくれるとのことで、緊張して待っていたのだけれど、結局花火が始まる頃までに、むぎとろに到着できたのは、愛だけだった。
私はずっと部屋にいたのでわからなかったのだけれど、この隅田川の花火の日は、人も車も規制がひかれるようで、恋が焼酎とホッピーなどを持って到着したのは、花火が始まってから一時間も経過し、愛が窓から身を乗り出して、「ブラボー!」なんて叫んでいるころ、そして、姫が重そうな料理を持って到着したのは、花火が終わってからずいぶん経ったあとだった。
「こっちに家があるのよって言ってるのに、ぜんぜん通してくれないのよ!。大混雑の人ごみの中、浅草を一回り歩いてきたわよ。」
と姫は汗を拭きながら、プンプン怒っていた。みなさん、ありがとう。ごちそうさまでした。
(監)
浅草ひとり(6)
(承前) 雑貨、家具、インテリア、家電、つ・・壺、皮の破れた三味線(値札ついてる・・)、二階への階段への踊り場には、し、鹿の剥製壁掛けなどがところ狭しと並んでおり、想像以上にあやしい。
二階は家電、水道用品など、三階に工具などと並んでカーペットやカーテンなどもあった。が、店の中のものに関してはディスカウントショップというには相対的に高い感じだった。
とりあえずはドライバーとカッターナイフを買い、ライフに向かう。暑い・・・。
ライフでカーテンを見ていたが、遮光でもなんでもない厚手のカーテンが130mm丈で2,780円、190mmが3,580円。
大きい窓のほうは185mmというところだけれど、ないのであればしょうがない。190mmはもう一組必要なので、これだけでほぼ一万円になる。
カーテンの相場を知らない、というか、こういうものにピンからキリまであるのはわかっていても、コストパフォーマンスが自分で納得できないまま購入するのは、なんだかイヤな気分だった。
ただ、「里見」で見たカーテンとたぶん同等くらいのもので、少しこちらのほうが安い感じはあったのと、とにかく夏の盛りのことで、うろうろと歩きたくない気分。何より他にあてもないのでここで買うことに決めた。
フロのイス、クレラップ、食器の水きり、あ、チラシ掲載の品、アイロン台 1,000円とある。これも買っとこう。あと、このイ草の座椅子も・・・。
結局一万七千円余りを支払い、大荷物になった買い物袋を抱え、荷物の重さに閉口しながら、浅草の街をひとり、ゆっくりと歩きだした。
(監)
二階は家電、水道用品など、三階に工具などと並んでカーペットやカーテンなどもあった。が、店の中のものに関してはディスカウントショップというには相対的に高い感じだった。
とりあえずはドライバーとカッターナイフを買い、ライフに向かう。暑い・・・。
ライフでカーテンを見ていたが、遮光でもなんでもない厚手のカーテンが130mm丈で2,780円、190mmが3,580円。
大きい窓のほうは185mmというところだけれど、ないのであればしょうがない。190mmはもう一組必要なので、これだけでほぼ一万円になる。
カーテンの相場を知らない、というか、こういうものにピンからキリまであるのはわかっていても、コストパフォーマンスが自分で納得できないまま購入するのは、なんだかイヤな気分だった。
ただ、「里見」で見たカーテンとたぶん同等くらいのもので、少しこちらのほうが安い感じはあったのと、とにかく夏の盛りのことで、うろうろと歩きたくない気分。何より他にあてもないのでここで買うことに決めた。
フロのイス、クレラップ、食器の水きり、あ、チラシ掲載の品、アイロン台 1,000円とある。これも買っとこう。あと、このイ草の座椅子も・・・。
結局一万七千円余りを支払い、大荷物になった買い物袋を抱え、荷物の重さに閉口しながら、浅草の街をひとり、ゆっくりと歩きだした。
(監)
浅草ひとり(5)
(承前) 浅草の「里美」は、どうにもアヤシイ店だった。アヤシイというのは、怪しいではなく、妖しいと書く。
こういう店を見ると、私は無性にうれしくなる。
もう30年以上も前になるか、家から自転車で10分くらいのところに、「MON モン」というディスカウントショップがあった。
この店の駐車場には、グライダーが置いてあった。模型ではない本物だ。そう大きなものでもないが、両翼で10mほどもあっただろうか。それもディスプレイとして置かれていたのではなく、商品として展示されていたのだった。
百万円に近い数十万円代の値がつけられていたと思うが、私の知る限り10年以上雨ざらし、とんでもなく汚いシロモノで、こんなものを買う奴は絶対にいないだろうとずっと思っていたが、同時に、そういうものを展示しているということに、なんだか妙に妖しい魅力を感じていた。
店の中にも、最新家電製品があると思えば、ガラクタとしか言いようのないものが多数あり、中でも漆が剥げてなければ高級品だったろうと思える戸棚や、弦の錆び付いた大正琴が並んでいるエリアなどは、特に妖しかった。
何が置いてあるのか予測できない、何故こんなものが置いてあるのかわからない。そういう妖しさは、今思えば、民族博物館とか、保存された古民家を訪ねたのと同じような感覚なのかもしれない。
などというような感傷にひたっている場合ではなかった。もう、今日はダンボールカーテンはごめんだ。フロイスも買って、お、自転車もあるな。こういう折りたたみ自転車も買って(ドキドキ)、ん? なぜどきどきする? とにかく今日は落ち着いてゆっくりと過ごせる環境に一歩でも近づけなければいけない。
絶対に今日そろえなければいけないのは、ドライバーとモンキーレンチ、カーテンとフロのイスだ。
間違いなくこの店に工具はある。私は確信を持って店の中に入っていった。
(続く)
こういう店を見ると、私は無性にうれしくなる。
もう30年以上も前になるか、家から自転車で10分くらいのところに、「MON モン」というディスカウントショップがあった。
この店の駐車場には、グライダーが置いてあった。模型ではない本物だ。そう大きなものでもないが、両翼で10mほどもあっただろうか。それもディスプレイとして置かれていたのではなく、商品として展示されていたのだった。
百万円に近い数十万円代の値がつけられていたと思うが、私の知る限り10年以上雨ざらし、とんでもなく汚いシロモノで、こんなものを買う奴は絶対にいないだろうとずっと思っていたが、同時に、そういうものを展示しているということに、なんだか妙に妖しい魅力を感じていた。
店の中にも、最新家電製品があると思えば、ガラクタとしか言いようのないものが多数あり、中でも漆が剥げてなければ高級品だったろうと思える戸棚や、弦の錆び付いた大正琴が並んでいるエリアなどは、特に妖しかった。
何が置いてあるのか予測できない、何故こんなものが置いてあるのかわからない。そういう妖しさは、今思えば、民族博物館とか、保存された古民家を訪ねたのと同じような感覚なのかもしれない。
などというような感傷にひたっている場合ではなかった。もう、今日はダンボールカーテンはごめんだ。フロイスも買って、お、自転車もあるな。こういう折りたたみ自転車も買って(ドキドキ)、ん? なぜどきどきする? とにかく今日は落ち着いてゆっくりと過ごせる環境に一歩でも近づけなければいけない。
絶対に今日そろえなければいけないのは、ドライバーとモンキーレンチ、カーテンとフロのイスだ。
間違いなくこの店に工具はある。私は確信を持って店の中に入っていった。
(続く)
カントク 浅草で生活必需品を買う
チャリです。
マンションから歩いて10mほどのところに酒屋がある。今日は隅田川の花火大会が開かれるとのことで、酒屋の前では屋台が張られていた。
「知らない街で道を聞くのは、酒屋に限る。」
とカントクは言う。道や建物をよく知っている、お礼に酒を買えば相手も喜ぶ、特にこういう小さな酒屋と仲良くなっておくと、何かと割引などもしてくれるはずだ。などと言っているが、単に警察がキライなだけじゃ・・・イテッ。
カントクは屋台の準備をしている酒屋のおかみらしい人に声をかける。
「あ~と、おはようございま~す。」
こういうときの愛想はいい。おかみさんが答える。
「おはようございます。」
「私、昨日、大阪から、そこのむぎとろに引越してきまして、単身赴任で、はい、これからよろしくおねがいします。」
「あぁ、そうですか。まぁ、一人で。こちらこそよろしく。」
今日は花火なんですよねぇなとどいう話を少ししたあと、要件を切り出す。
「すみませんが、ちょっと教えていただきたいんですけど」
「はい?」
「このあたりに工具やカーテンなんかを売っているホームセンターのようなところはないでしょうか?」
「う~ん、ホームセンターはないねぇ。工具やカーテンねぇ・・・。サトミかライフかなぁ。」
「あ、フロのイスなんかもありますか。台所、洗濯用品なんかも」
「うん、ライフならそういうのもあったと思う。歩いていくんだよねぇ。少し遠いけど、(店の奥へ)ちょっとぉ、サトミとライフまでの地図書いてあげて。」
旦那さんらしい人が、地図を書いてくれた。
「どれくらいで歩けます?」
「サトミまで10分くらい、ライフまで20分くらいかなぁ。自転車がありゃあすぐなんだけどねぇ。」
「ありがとうございました。また来ます。」
と地図をもらって歩き出した。
雷門から2本ほど南の道を、西に真っ直ぐ抜けたところに「里美」というディスカウントショップはあった。
この店の佇まいを見て、カントクはにっこりとした。カントクの好きなタイプの店らしい。
表にカバンやトランク、イスや物入れ、スリッパ、靴下などいろいろな品物がところ狭しと並んでいる。店の外がそうなんだから、中は推して知るべしだ。あ、自転車も並んでいる(ドキドキ)。
早速カントクは、緑色の折りたたみ自転車のハンドルに手をかけた。
ふう。ちょっと休憩。
今日は2008年7月26日 ボクがカントクと出逢うまで、やっぱりあと一週間?・・くらい?。
(続く)
マンションから歩いて10mほどのところに酒屋がある。今日は隅田川の花火大会が開かれるとのことで、酒屋の前では屋台が張られていた。
「知らない街で道を聞くのは、酒屋に限る。」
とカントクは言う。道や建物をよく知っている、お礼に酒を買えば相手も喜ぶ、特にこういう小さな酒屋と仲良くなっておくと、何かと割引などもしてくれるはずだ。などと言っているが、単に警察がキライなだけじゃ・・・イテッ。
カントクは屋台の準備をしている酒屋のおかみらしい人に声をかける。
「あ~と、おはようございま~す。」
こういうときの愛想はいい。おかみさんが答える。
「おはようございます。」
「私、昨日、大阪から、そこのむぎとろに引越してきまして、単身赴任で、はい、これからよろしくおねがいします。」
「あぁ、そうですか。まぁ、一人で。こちらこそよろしく。」
今日は花火なんですよねぇなとどいう話を少ししたあと、要件を切り出す。
「すみませんが、ちょっと教えていただきたいんですけど」
「はい?」
「このあたりに工具やカーテンなんかを売っているホームセンターのようなところはないでしょうか?」
「う~ん、ホームセンターはないねぇ。工具やカーテンねぇ・・・。サトミかライフかなぁ。」
「あ、フロのイスなんかもありますか。台所、洗濯用品なんかも」
「うん、ライフならそういうのもあったと思う。歩いていくんだよねぇ。少し遠いけど、(店の奥へ)ちょっとぉ、サトミとライフまでの地図書いてあげて。」
旦那さんらしい人が、地図を書いてくれた。
「どれくらいで歩けます?」
「サトミまで10分くらい、ライフまで20分くらいかなぁ。自転車がありゃあすぐなんだけどねぇ。」
「ありがとうございました。また来ます。」
と地図をもらって歩き出した。
雷門から2本ほど南の道を、西に真っ直ぐ抜けたところに「里美」というディスカウントショップはあった。
この店の佇まいを見て、カントクはにっこりとした。カントクの好きなタイプの店らしい。
表にカバンやトランク、イスや物入れ、スリッパ、靴下などいろいろな品物がところ狭しと並んでいる。店の外がそうなんだから、中は推して知るべしだ。あ、自転車も並んでいる(ドキドキ)。
早速カントクは、緑色の折りたたみ自転車のハンドルに手をかけた。
ふう。ちょっと休憩。
今日は2008年7月26日 ボクがカントクと出逢うまで、やっぱりあと一週間?・・くらい?。
(続く)
浅草ひとり(4)
マンションから歩いて10mほどのところに酒屋がある。今日は隅田川の花火大会が開かれるとのことで、酒屋の前では屋台が張られていた。
知らない街で道を聞くのは、酒屋に限る。道や建物をよく知っている、お礼に酒を買えば相手も喜ぶ、特にこういう小さな酒屋と仲良くなっておくと、何かと割引などもしてくれるはずだ。
屋台の準備をしている酒屋のおかみらしい人に声をかけた。
「あ~と、おはようございま~す。」
おかみさんが答える。
「おはようございます。」
「私、昨日、大阪から、そこに引越してきまして、単身赴任で、はい、これからよろしくおねがいします。」
「あぁ、そうですか。まぁ、一人で。こちらこそよろしく。」
今日は花火なんですよねぇなとどいう話を少ししたあと、要件を切り出す。
「すみませんが、ちょっと教えていただきたいんですけど」
「はい?」
「このあたりに工具やカーテンなんかを売っているホームセンターのようなところはないでしょうか?」
「う~ん、ホームセンターはないねぇ。工具やカーテンねぇ・・・。サトミかライフかなぁ。」
「あ、フロのイスなんかもありますか。台所、洗濯用品なんかも」
「うん、ライフならそういうのもあったと思う。歩いていくんだよねぇ。少し遠いけど、(店の奥へ)ちょっとぉ、サトミとライフまでの地図書いてあげて。」
旦那さんらしい人が、地図を書いてくれた。
「どれくらいで歩けます?」
「サトミまで10分くらい、ライフまで20分くらいかなぁ。自転車がありゃあすぐなんだけどねぇ。」
「ありがとうございました。また来ます。」
と地図をもらって歩き出した。
雷門から2本ほど南の道を、西に真っ直ぐ抜けたところに「里美」というディスカウントショップはあった。
(続く)
知らない街で道を聞くのは、酒屋に限る。道や建物をよく知っている、お礼に酒を買えば相手も喜ぶ、特にこういう小さな酒屋と仲良くなっておくと、何かと割引などもしてくれるはずだ。
屋台の準備をしている酒屋のおかみらしい人に声をかけた。
「あ~と、おはようございま~す。」
おかみさんが答える。
「おはようございます。」
「私、昨日、大阪から、そこに引越してきまして、単身赴任で、はい、これからよろしくおねがいします。」
「あぁ、そうですか。まぁ、一人で。こちらこそよろしく。」
今日は花火なんですよねぇなとどいう話を少ししたあと、要件を切り出す。
「すみませんが、ちょっと教えていただきたいんですけど」
「はい?」
「このあたりに工具やカーテンなんかを売っているホームセンターのようなところはないでしょうか?」
「う~ん、ホームセンターはないねぇ。工具やカーテンねぇ・・・。サトミかライフかなぁ。」
「あ、フロのイスなんかもありますか。台所、洗濯用品なんかも」
「うん、ライフならそういうのもあったと思う。歩いていくんだよねぇ。少し遠いけど、(店の奥へ)ちょっとぉ、サトミとライフまでの地図書いてあげて。」
旦那さんらしい人が、地図を書いてくれた。
「どれくらいで歩けます?」
「サトミまで10分くらい、ライフまで20分くらいかなぁ。自転車がありゃあすぐなんだけどねぇ。」
「ありがとうございました。また来ます。」
と地図をもらって歩き出した。
雷門から2本ほど南の道を、西に真っ直ぐ抜けたところに「里美」というディスカウントショップはあった。
(続く)
浅草のワンルームで生涯初の一人暮らし最初の夜を過ごしたカントク
チャリです。
今日は7月26日。カントクは生まれて初めての一人暮らしの夜を過ごし、ダンボールカーテンの隙間から差し込む光で目をさました。
机代わりのコタツも昨日は届かなかったので、ラーメンを作ってフローリングの床で食べたのだと言います。
昨日は、ドライバーやレンチなど、自宅にならどこにでもゴロゴロと転がっている工具がなく、何かをしようとするたびに
「あ、ドライバーがなかったんや、何でそんなもんがないねんこの家は。あぁ、メガネもモンキーも無いんかいなこの家は。ほんまにしゃぁない家やなぁ。」
と、何だか家が悪いような独り言を言っていて、
今日は朝から、昨日足りないと思ったものを書き出したメモを持って、カントクは街に出た。パソコンはあるのだけど、インターネット環境がないので、街のどこに何があるのか調べることもできず、東京どころかこのあたりの地図さえ、カントクは持っていなかった。
「インターネットのクチがないがなこの家は。無線LANかな?繋がらんけどなぁ。」
などと言っているところを見ると、どうやらカントクはこのマンションのインターネットは個別契約しないと使えないことを知らないようだ。
メモには、ドライバー、モンキーレンチ、アンテナ取り付け具、カーテン、フロのイス、ハサミ、ガムテープ、洗濯カゴ、物干し竿、座椅子、食い物、などと並んで、折りたたみ自転車というのも書いてあった。ドキドキ。
マンションには自転車置き場がなく、自転車を買っても、小さなエレベーターに乗せて部屋の前に置いておくしかなかった。エレベーターに入るサイズの自転車は、多分折りたたみしかないだろうというのがカントクの考えだった。ま、だれでもそう考えるだろうけどね。
今日は2008年7月26日 ボクがカントクと出逢うまで、あと一週間・・くらい?。
浅草ひとり(3)
7月26日。生まれて初めての一人暮らしの夜を過ごし、ダンボールカーテンの隙間から差し込む光で目をさました。
机代わりのコタツも昨日は届かなかったので、ラーメンを作ってフローリングの床で食べた。
昨日は、ドライバーやレンチなど、自宅にならどこにでもゴロゴロと転がっている工具がなく、何かをしようとするたびに
「あ、ドライバーがなかったんや、何でそんなもんがないねんこの家は。あぁ、メガネもモンキーも無いんかいなこの家は。ほんまにしゃぁないやっちゃなぁ。」
と、何もかもが足りない不満を漏らしていた。
今日は朝から、昨日足りないと思ったものを書き出したメモを持って、街に出た。パソコンはあるのだけど、インターネット環境がないので、街のどこに何があるのか調べることもできず、東京どころかこのあたりの地図さえ持っていなかった。
インターネットのクチがないがなこの家は。無線LANかな?繋がらんけどなぁ。などと思っていたが、あとでマンションの管理会社に聞いたところでは、光の線は入っているものの、個別契約しないと使えないとのことだった。
メモには、ドライバー、モンキーレンチ、アンテナ取り付け具、カーテン、フロのイス、ハサミ、ガムテープ、洗濯カゴ、物干し竿、座椅子、食い物、折りたたみ自転車など、不自由を感じたものを思いつくままに書いていた。
特に自転車は必需品だと思った。マンションには自転車置き場がなく、自転車を買っても、小さなエレベーターに乗せて部屋の前に置いておくしかなかいので、折りたたみ式のものを買うつもりだった。でも、これらがどこに売ってるのか、見当もつかなかった。
(続く)
机代わりのコタツも昨日は届かなかったので、ラーメンを作ってフローリングの床で食べた。
昨日は、ドライバーやレンチなど、自宅にならどこにでもゴロゴロと転がっている工具がなく、何かをしようとするたびに
「あ、ドライバーがなかったんや、何でそんなもんがないねんこの家は。あぁ、メガネもモンキーも無いんかいなこの家は。ほんまにしゃぁないやっちゃなぁ。」
と、何もかもが足りない不満を漏らしていた。
今日は朝から、昨日足りないと思ったものを書き出したメモを持って、街に出た。パソコンはあるのだけど、インターネット環境がないので、街のどこに何があるのか調べることもできず、東京どころかこのあたりの地図さえ持っていなかった。
インターネットのクチがないがなこの家は。無線LANかな?繋がらんけどなぁ。などと思っていたが、あとでマンションの管理会社に聞いたところでは、光の線は入っているものの、個別契約しないと使えないとのことだった。
メモには、ドライバー、モンキーレンチ、アンテナ取り付け具、カーテン、フロのイス、ハサミ、ガムテープ、洗濯カゴ、物干し竿、座椅子、食い物、折りたたみ自転車など、不自由を感じたものを思いつくままに書いていた。
特に自転車は必需品だと思った。マンションには自転車置き場がなく、自転車を買っても、小さなエレベーターに乗せて部屋の前に置いておくしかなかいので、折りたたみ式のものを買うつもりだった。でも、これらがどこに売ってるのか、見当もつかなかった。
(続く)
2008年7月25日金曜日
浅草ひとり(2)
(承前) 荷物が揃ったのは、夕方。5時を回っていただろうか。
とにかく今日のうちに少しでも片付けておこうと、洗濯機、冷蔵庫といった大物から梱包を解き、設置していった。このあたりは得意分野だが、洗濯機の設置でいきなり行き詰ってしまった。
真下排水のキットが必要だ。それに、ドライバーがない。真下排水は、洗濯機自体が排水パンよりも少し小さいので、横から回してもなんとかなりそうだったが、裏蓋をはずして排水ホースを逆につけかえなければならない。ドライバーがないのは致命的だった。
冷蔵庫も、設置はできるがアースを取り付けようとすると、どうしてもドライバーは必要だ。
今から買いに行くかと思ったが、どこに何を売っている店があるのかわからず、あたりも薄暗くなってきていた。明日にしよう。それに、まだやることはたくさん、ある。
"しん"とした部屋で、家から送ったこまごまとしたものを、台所やクローゼット、洗面台などに収めていった。
「そうか、テレビだ。テレビがついてないから、こう、うすら寂しいのだ。そうに違いない。」
と思った。テレビをセッティングした。地デジとケーブルテレビの線は部屋まで来ていて、ケーブルテレビは個別契約すればいいようだが、そんなつもりはさらさらなく、スカパーのヨーロッパサッカーとWOWOWが契約済みのB-CASカードを持ってきていた。
とりあえず地デジを見れるようにセッティングして、続いて衛星放送のアンテナを設置しようとしたが、ベランダには取り付けができそうな桟がなく、壁になっている鉄板には細かい穴が開いているものの、付属の取り付け器具のネジは入らない。それに、思い出した、ドライバーがないんだってば。
今日はこういうのはやめだ。確か松屋にベスト電器があったはず。あとで行って何かないか見てみよう。
結局、この日は梱包を解いて家電は設置すべきところに仮設置、小物は格納するところに格納をして終わることにした。
さて、フロに入ろうと思ったら、洗面器はあるが、風呂イスがなかった。しゃがんだままで体と頭を洗った。少し悲しかった。
さて、寝ようと思ったら、窓にカーテンがなかった。そうだ。窓のサイズがよくわからず、測って買わなきゃいけなかったんだ。
窓の外、隅田川の川面は電光看板のネオンにキラキラと光り、川向こうの高速道路では、ヘッドライトが行き交い、工事でもしているのだろうか、黄色い回転灯も回っている。眺めているには綺麗だが、 田舎育ちのおじさんは、これでは眠れない。
畳んだダンボールを広げ、窓にあてがっていった。ダンボールを留めておくための新しいガムテープもない。ダンボールについていた一度剥がした頼りないガムテープで、窓に引っ付けていく。
二時間ほど経った頃だったろうか、うとうとと眠りかけた静かな部屋に、「ずぼぼぼぼぼんっ!」という音が響いた。一番大きなダンボールが一枚、床にずりおちていた。
(続く)
とにかく今日のうちに少しでも片付けておこうと、洗濯機、冷蔵庫といった大物から梱包を解き、設置していった。このあたりは得意分野だが、洗濯機の設置でいきなり行き詰ってしまった。
真下排水のキットが必要だ。それに、ドライバーがない。真下排水は、洗濯機自体が排水パンよりも少し小さいので、横から回してもなんとかなりそうだったが、裏蓋をはずして排水ホースを逆につけかえなければならない。ドライバーがないのは致命的だった。
冷蔵庫も、設置はできるがアースを取り付けようとすると、どうしてもドライバーは必要だ。
今から買いに行くかと思ったが、どこに何を売っている店があるのかわからず、あたりも薄暗くなってきていた。明日にしよう。それに、まだやることはたくさん、ある。
"しん"とした部屋で、家から送ったこまごまとしたものを、台所やクローゼット、洗面台などに収めていった。
「そうか、テレビだ。テレビがついてないから、こう、うすら寂しいのだ。そうに違いない。」
と思った。テレビをセッティングした。地デジとケーブルテレビの線は部屋まで来ていて、ケーブルテレビは個別契約すればいいようだが、そんなつもりはさらさらなく、スカパーのヨーロッパサッカーとWOWOWが契約済みのB-CASカードを持ってきていた。
とりあえず地デジを見れるようにセッティングして、続いて衛星放送のアンテナを設置しようとしたが、ベランダには取り付けができそうな桟がなく、壁になっている鉄板には細かい穴が開いているものの、付属の取り付け器具のネジは入らない。それに、思い出した、ドライバーがないんだってば。
今日はこういうのはやめだ。確か松屋にベスト電器があったはず。あとで行って何かないか見てみよう。
結局、この日は梱包を解いて家電は設置すべきところに仮設置、小物は格納するところに格納をして終わることにした。
さて、フロに入ろうと思ったら、洗面器はあるが、風呂イスがなかった。しゃがんだままで体と頭を洗った。少し悲しかった。
さて、寝ようと思ったら、窓にカーテンがなかった。そうだ。窓のサイズがよくわからず、測って買わなきゃいけなかったんだ。
窓の外、隅田川の川面は電光看板のネオンにキラキラと光り、川向こうの高速道路では、ヘッドライトが行き交い、工事でもしているのだろうか、黄色い回転灯も回っている。眺めているには綺麗だが、 田舎育ちのおじさんは、これでは眠れない。
畳んだダンボールを広げ、窓にあてがっていった。ダンボールを留めておくための新しいガムテープもない。ダンボールについていた一度剥がした頼りないガムテープで、窓に引っ付けていく。
二時間ほど経った頃だったろうか、うとうとと眠りかけた静かな部屋に、「ずぼぼぼぼぼんっ!」という音が響いた。一番大きなダンボールが一枚、床にずりおちていた。
(続く)
浅草ひとり(1)
2008年7月25日、午後2時。むぎとろの前に、不動産屋の子分君と、鍵を付け替えてくれる人が待ってくれていた。
子分君は、鍵の入った封筒を私に渡して、
「じゃ、私はこれで」
とそそくさと去っていった。なんだ愛想のないやつだ。
鍵のつけ替えもすぐに終わり、がらんとした部屋の中で、さて、どうしたもんかと、部屋に備え付けの機器や電気、水道、ガスなどの手続き書類を見るともなく眺めていた。
とにかく暑いので、エアコンをつける。いつもならエアコンと扇風機を同時にまわして風をかきまわしているのだけど、扇風機は今日届く予定にはなっているが、まだ、ない。
家からは当面の衣類や食器、調味料などを買って送った。こっちで買えばいいのはわかっているのだけど、買いに行くという行為自体が面倒なのと、家電など、ほとんどの生活用品は、新たに購入して今日、ここに届くように手配していた。
部屋を出て、飲み物や食べ物なども買いに行きたいと思ったが、そろそろ荷物が届きだすころだと思うと、部屋を空けるわけにいかなかった。こういうところが一人で暮らすということの不便さなのだなぁ。
水道や電気は使えるが、ガスは開栓してもらわないといけない・・・らしい。(そんなことも知らないのだ。)ガス会社に電話をしてすぐ来てもらう。
3時過ぎ、荷物の第一陣が届いた。台所側の部屋にエアコンの風が届かないので、まず扇風機の梱包を解いて組み立てを開始したところに、ガス会社の人が来た。
汗だらけのガス会社の人に、冷たいお茶でもと思ったが、コップもお茶も何にもなかった。すまないと思ったがどうしようもない。
「涼しいエアコンにあたらせてもらってありがとうございました。」と丁寧にお礼を言われてかえって恐縮だった。もう少しあとで来たら、せめて扇風機の風にあたってもらえたのになぁ。
(続く)
子分君は、鍵の入った封筒を私に渡して、
「じゃ、私はこれで」
とそそくさと去っていった。なんだ愛想のないやつだ。
とにかく暑いので、エアコンをつける。いつもならエアコンと扇風機を同時にまわして風をかきまわしているのだけど、扇風機は今日届く予定にはなっているが、まだ、ない。
家からは当面の衣類や食器、調味料などを買って送った。こっちで買えばいいのはわかっているのだけど、買いに行くという行為自体が面倒なのと、家電など、ほとんどの生活用品は、新たに購入して今日、ここに届くように手配していた。
部屋を出て、飲み物や食べ物なども買いに行きたいと思ったが、そろそろ荷物が届きだすころだと思うと、部屋を空けるわけにいかなかった。こういうところが一人で暮らすということの不便さなのだなぁ。
水道や電気は使えるが、ガスは開栓してもらわないといけない・・・らしい。(そんなことも知らないのだ。)ガス会社に電話をしてすぐ来てもらう。
3時過ぎ、荷物の第一陣が届いた。台所側の部屋にエアコンの風が届かないので、まず扇風機の梱包を解いて組み立てを開始したところに、ガス会社の人が来た。
汗だらけのガス会社の人に、冷たいお茶でもと思ったが、コップもお茶も何にもなかった。すまないと思ったがどうしようもない。
「涼しいエアコンにあたらせてもらってありがとうございました。」と丁寧にお礼を言われてかえって恐縮だった。もう少しあとで来たら、せめて扇風機の風にあたってもらえたのになぁ。
(続く)
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