2008年7月25日金曜日

浅草ひとり(1)

2008年7月25日、午後2時。むぎとろの前に、不動産屋の子分君と、鍵を付け替えてくれる人が待ってくれていた。

子分君は、鍵の入った封筒を私に渡して、

「じゃ、私はこれで」

とそそくさと去っていった。なんだ愛想のないやつだ。

Room 鍵のつけ替えもすぐに終わり、がらんとした部屋の中で、さて、どうしたもんかと、部屋に備え付けの機器や電気、水道、ガスなどの手続き書類を見るともなく眺めていた。

とにかく暑いので、エアコンをつける。いつもならエアコンと扇風機を同時にまわして風をかきまわしているのだけど、扇風機は今日届く予定にはなっているが、まだ、ない。

家からは当面の衣類や食器、調味料などを買って送った。こっちで買えばいいのはわかっているのだけど、買いに行くという行為自体が面倒なのと、家電など、ほとんどの生活用品は、新たに購入して今日、ここに届くように手配していた。

部屋を出て、飲み物や食べ物なども買いに行きたいと思ったが、そろそろ荷物が届きだすころだと思うと、部屋を空けるわけにいかなかった。こういうところが一人で暮らすということの不便さなのだなぁ。

水道や電気は使えるが、ガスは開栓してもらわないといけない・・・らしい。(そんなことも知らないのだ。)ガス会社に電話をしてすぐ来てもらう。

3時過ぎ、荷物の第一陣が届いた。台所側の部屋にエアコンの風が届かないので、まず扇風機の梱包を解いて組み立てを開始したところに、ガス会社の人が来た。

汗だらけのガス会社の人に、冷たいお茶でもと思ったが、コップもお茶も何にもなかった。すまないと思ったがどうしようもない。

「涼しいエアコンにあたらせてもらってありがとうございました。」と丁寧にお礼を言われてかえって恐縮だった。もう少しあとで来たら、せめて扇風機の風にあたってもらえたのになぁ。

(続く)
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