
まだ昼前なのに、部屋から見える吾妻橋の上には、もう人だかりができており、ケイサツの人かケイビの人かわからないけれど、「橋の上では立ち止まって見ることはできません」などというアナウンスを繰り返している。
三十分ほどエアコンと扇風機をどちらも最強にぶん回して、その前でカエルがひっくり返ったような格好をしていたのだけれど、さっき、道を教えてもらった酒屋に行ってお礼がてら、缶ビールを1ダース、お茶と水、2リットルのを2本ずつ、氷2袋を買って帰った。
今日は、愛や恋や姫などが、酒と料理を持って来てくれるとのことで、緊張して待っていたのだけれど、結局花火が始まる頃までに、むぎとろに到着できたのは、愛だけだった。
私はずっと部屋にいたのでわからなかったのだけれど、この隅田川の花火の日は、人も車も規制がひかれるようで、恋が焼酎とホッピーなどを持って到着したのは、花火が始まってから一時間も経過し、愛が窓から身を乗り出して、「ブラボー!」なんて叫んでいるころ、そして、姫が重そうな料理を持って到着したのは、花火が終わってからずいぶん経ったあとだった。
「こっちに家があるのよって言ってるのに、ぜんぜん通してくれないのよ!。大混雑の人ごみの中、浅草を一回り歩いてきたわよ。」
と姫は汗を拭きながら、プンプン怒っていた。みなさん、ありがとう。ごちそうさまでした。
(監)