2008年7月18日金曜日

湧水とすかんぽの山(2/2)

(承前)山の中腹にある岩湧寺まで下ってきた。周辺はきれいに手入れされた芝生の休憩広場になっている。林では鶯がいい声で鳴いている。

岩湧寺は役小角の開基、本堂は江戸初期(市指定文化財)、多宝塔は天文年間(室町時代1532-1555年)頃の建築(国重要文化財)、本尊の大日如来坐像(国重要文化財)は平安末期の作、境内の杉林も樹齢400年以上と、いずれも大変に古い。

すかんぽ この境内から石階段、石畳の旧参道に降りる。小さな滝から川沿いの道を行くと、土手にすかんぽが大量に自生していた。

すかんぽなんて食べるのは何年ぶりだろうか。八百屋なんかでは売ってないからねこれは。

さっそく皮をむいて食べる。水分が多く、茎もやわらかい。上モノだ。

そうそう、この植物とほとんど同じ姿形で、でも食べると凶悪に思いっきり苦いやつがある。

こやつとすかんぽの違いは葉の形。葉先が丸いのがすかんぽ、ギザギザなのが「すかんぽもどき(←今考えた)」わかっちゃいるんだが、何度か間違えて苦い思いをした。

もう2、3本引き抜き、食べながら歩く。寺からのルートの終点近く、つまり古参道の始点近くに、『長寿水』という湧き水がある。


『或る年、紀州や河内地方が大旱魃に見舞われ、困った村人が山に登り雨乞いをしたところ、天狗が現れ錫杖で一突きしたら、こんこんと水が湧き出し、人々を救ってくれた』

『ありがたや 岩湧寺の 長寿水 のみて 後生を たのめ 観音』
岩湧寺の御詠歌
冷たい水が豊富に湧いており、ここで顔を洗ったり、水を飲んだりして少し休憩する。





平日はさほどでもないが、休日には遠くから車で水を汲みにくる人もいて、行列ができているときもある。近くに駐車場はあるものの、ポリタンクやペットボトルを山ほどかかえたり台車に載せたりして、50mくらい石畳の坂道を歩かなければならない。

台車の車輪が石畳の溝に落ち、その衝撃で目一杯水の入ったポリタンクがいくつかバラバラと道に落ちてしまうところも目撃したことがある。結構な重労働だ。

私はバイクをこの先の駐車場に止めてある。岩湧山にはいくつか登山ルートがあり、私はこの湧き水のあるところから少し下ったところにある登山口から入り、尾根をぐるっと一回りして岩湧寺に降り、湧き水経由で駐車場に戻るルートをとることが多い。

バイクにはポリタンクが二つ積んである。湧き水のところに戻り、水を詰めて家路につく。この水で鍋などをすると、むっちゃくちゃうまい。

(監)
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