チャリです。
カントクは2008年7月9日に、転職の打ち合わせで東京に来た。交通費や宿代も転職先に負担させ、打ち合わせの翌日を住む家探しにあてた。
不動産屋に、
「ええか、とにかく浅草駅に近くて、隅田川沿いで、花火のみえるとこ。あと、気持ちのいい公園近くで、できればジョギングコースのあるとこがええな」と、言っていたそうで、
大阪の田舎モンが、これから東京で生活をしてゆくのだという真摯な姿勢は全く見えず、ほとんど観光気分で東京生活の拠点を決めようとしていたとしか思えない。と感じるのはボクだけだろうか。
とにかく人の多いところにいると眩暈がし、酒は飲むけど静かなところでないと機嫌が悪く、うるさいところにいると「じゃかましい!」と怒鳴りたくなるという、典型的な離人症タイプの人なわけで、こんな人がまたなんでわざわざ人の多い東京で働く気になったのか、かなり理解に苦しむのだが、まぁ、いろんな事情があったんだろうとは思う。
東京で働くと決めた時に、カントクは、特に何の根拠もないながらも、
「とにかくワシの住むところは上野か浅草界隈しかない」
と、決めていたようで、地図やインターネットでいいところがないかといろいろと調べているうちに、
「上野に住むと、『我が愛』との距離が近すぎる。愛は、賄い一切面倒を見ると言ってくれているが、いい歳こいて愛に溺れてはわざわざ東京へ来た意味がない。ここは浅草芸人として、イチからストイックに修行するのが男の道なのだ。」
など、まじめなのかナルシストなのか、あるいは単なるあかんたれなのか、社会的にも人類学的にもほとんど意味のない理屈で、浅草に住むことを決めたらしい。
今日は2008年7月9日 ボクがカントクと出逢うまで、あと24日・・くらい。